人の耳(感じ方)は機械と違って公平にできていません。機械で計れば同じ音量のはずなのに音によっては、より大きく感じたりより静かに感じる音があります。また体調や周りの環境にも左右されます。この人間特有の癖が対策を難しくしています。
聴感曲線
騒音を音の圧力エネルギーと捉えた場合、高音の40dBも低音の40dBも同じエネルギー量ですので同じ音量に聴こえるはずですが、人の耳には音の周波数によって音量の感じ方が大きく違います。強い音=強い音圧は耳で大きく聞こえますが、周波数によって正確には比例しません。
一定の音量音の1000Hz(1KHz)の音と、同じ音量に感じる値=音量を周波数ごとに調べて、むすんだ曲線を聴感曲線=等ラウドネス曲線といいます。同じ大きさに聞こえる1000Hzの音量=音圧レベルの値がホーン(phon)です。人間の耳の感覚を数値化したものです。
このグラフの同一曲線上は違う違う音量ですが人に耳には同じと感じます。そして、グラフから次のようなことがわかります。
- 人の耳は3000Hzを超えたあたりが最も敏感に聞こえる。
- 低い音は鈍感になる。
1000Hz40デシベルの音量は125Hz60デシベルの音量と同じように感じる。5Hzでは1000Hzと比べて50デシベル強くなければ同じ大きさに聞こえない。つまり、人の耳は低音に関しては鈍感。 - 500kHz以上の高い周波数では鈍感になる。
このように人に人には敏感な周波数=音域、苦手な周波数があるのに、多くの人は音量ばかりに目が行ってしまい、周波数にことを加味せず問わずに何でも落とそうとするのは間違いっています。
音の大きさ(感覚量)と音圧(物理的エネルギー量)の関係
下の図は音のエネルギー量、音圧レベル(客観的な値)と人が感じ取る音の大きさ、音量(主観的な値)の関係を周波数帯ごとに調べたグラフです。1KHzの緑のラインを見てみると、音圧レベルが10dB増加すると、音の大きさが2倍になることが分かります。他の周波数帯でもほぼ同様に2倍になっています。つまりは音圧レベルが10dB下がると音は半分になったように感じます。
音の正体が周波数(音階)であること。そして人は周波数によって良く聴こえる周波数帯やよく聴こえない周波数があること。このことを頭に入れてどの周波数をどれだけ落とすのかを検討し、窓を選ぶ必要があるのです。