音は周波数と量でできている

騒音の程度を伝えるものといえば誰しも騒音計を思い浮かべるようですが、実は音量がわかるだけで、これだけでは気にしてい音のことは判りません。

騒音計ではわからない

騒音の状況を伝え時に多くの方が「騒音計」を連想するようです。現に「○○デシベルの騒音」とご相談を頂くこともあるのですが、騒音計でわかるのはじつは「音量」だけです。ご相談者が感じる音量とご家族が感じる音量、そして私が感じる音量は感じ方が違います。ですからこの情報だけでは、せいぜい一般的な評価しかできません。お話をじっくり聞かせて頂いて初めて騒音計は有益な情報となり、ご相談者の状況や苦しさもわかるようになりますが、騒音計の数値だけでは「騒音」を伝えることはできないのです。

音には「音量」と「周波数」という顔があります

日常生活においては「高い音」「低い音」と表現していますが、これは周波数のことです。高い音とは、周波数の数字が大きい事であり、低音とはその逆です。音階(音程)も周波数に置き換えることができます。(正しくは音名といいます)

私たちがいろいろな音を聴き分けることができるのは、この周波数のおかげです。騒音や防音を考えるときこの2つを同時に扱う必要があり、「○○ヘルツ△△デシベルの音」とするのが正しいといえます。 ※ヘルツ(Hz)は周波数の単位デシベル(dB)は音量の単位

音は数値にすることができます。

そして周波数(振動数)と音量(大小・強弱)はいずれも数字で表すことができます。数字であれば誰もが大小を判断できます。また尺度(単位)を整えてあげれば誰もが評価することができます。そして、足し算・引き算などの計算を可能にします。

音の3つ目の顔「音色」 これこそが音を決めている

自然界では単一周波数の音(「純音」もしくは「単音」とも言います)は存在しません。必ず複数の周波数でできています。この一つ一つの周波数と、一つ一つの周波数の音量の集合体が音です。この音の構成パターンが音色となり、不快な音。綺麗な音など、音に表情を与えます。(ギターコードや和音をイメージしてください)

音が2つ以上ある場合、音は互いに影響しあい、組み合わさることで不快になったり、心地よくなったり、心理的な影響を与えることもできます。またこのことは音源が1つの場合でも同様です。楽器を思い浮かべて考えると簡単で、同じ「ド」でもピアノの「ド」と木琴の「ド」は聞こえ方違います。これは、「ド」を鳴らしたときに意図せず出る1オクターブ上の「ド」や2オクターブ上の「ド」(2倍音、3倍音)の出る量が楽器によって変わるからです。これら楽器が奏でる音の揺れ・強弱・時間的な長さ・調和が楽器特有の音色を作り出します。

音学的視点で音を組み替え騒音でない音に変える

周波数を操作し、強弱を与えることで音への印象(表情)は大きく変わります。つまり音色(聞こえ方)を変えることできるのです。これらの技術にたけている人が作曲家です。

そして今ここで「騒音とは邪魔な音」と定義づけるのであれば、この作曲の技術を使って、音を小さくしつつも音が鳴っていても不快ではない音に編曲してしまえば、騒音は騒音でなくなります。

消し去れないのであれば、目立たないように、煩わしくないようにしてしまえば、音で苦しめられることはありません。